ブログトップ > スポンサー広告 > 読書メモ『壁抜け男』

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ブログトップ > 読書メモ > 読書メモ『壁抜け男』

読書メモ『壁抜け男』

 本当は十一月に読み終わっていたんですが
 前回同様好き勝手な感想です。


 マルセル・エイメ『壁抜け男』 早川書房
〔収録作品:“壁抜け男” “カード” “よい絵” “パリ横断” “サビーヌたち” “パリのぶどう酒” “七里の靴”〕

 表題作は突然壁を通り抜けることが出来るようになった男の話。
 この主人公、最初は地味で堅実な性格だったので、能力を隠して普通に暮らしていたんですが、やがてどんどん大胆になっていきます。ここからが面白くて。

 誰一人傷つけずに銀行からお金を失敬しては、世間の人気を独り占めにしてみたり。
 会社の人間にそのことを自慢しても信じてもらえなかったためにワザと警察に逮捕されてみたり。
 犯行時はおろか、捕まる時でさえ彼は礼儀正しい。おまけに次の日には悠々と独房から姿を消してしまう。警察は地団太を踏んでばかり。主人公と警察の会話がおかしくって好きです。

 ページをめくる度に囚われる、奇妙な感覚。それは他の収録作品にも言えることで、作品の殆どの設定が非日常的です。
 例えば“カード”は、生存を許可されるカードが政府から配布されていて、芸術家や老人などは一月ごとにある期間「存在が消滅してしまう」という設定の上で話が展開されますし、“サビーヌたち”は自らの存在を増やせる女性が主人公ですし。
 「どうやって可能にしているのか」などの野暮な説明が一切ないのも良いところ。

 個人的おすすめは、表題作の他に“カード”と 、ノスタルジックな“七里の靴”。
 あとついでに作者自体異なるんですが、「壁繋がり」でアポリネールの『オノレ・シュブラックの失踪』――カメレオンのように擬態出来る間男と、彼の命を狙って追いかけてくる夫の短編。『壁抜け男』と聞くとこの話も思い出す――も面白いです。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
 クリックしていただけると嬉しいです。

コメント

コメントの投稿
  • URL
  • コメント
  • パスワード
  • 秘密
  • 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL: http://morella.blog107.fc2.com/tb.php/50-cb664bc1

entry
category
profile

sano

Author:sano
 2008年から小型水槽と共に暮らしています。
 好きな水草はアナカリスとマツモ。
 このブログには、私が飼っている小型魚の写真を載せています。見て行って下さいね♪

 管理人:sano
 1366×768
 画像などの無断転載はお止めください。(書くまでもありませんが……)

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

↑登録しています。クリックして頂けると幸せ。

form
link
formmail

名前:
メール:
件名:
本文:

rss
copyright
Author by sano

Designed by マンゴスチンw

デジタル! ふぉと *DE* 小型魚
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。