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読書メモ『眠れなくなる夢十夜』

 久々の読書メモ。これは今年の夏に読んだものなので、記憶が曖昧になっていますが……。

 小説新潮編集部編『眠れなくなる夢十夜』
[収録作品:阿刀田高“夢一夜” あさのあつこ“厭だ厭だ” 西加奈子“鳥” 荻原浩“長い長い石段の先” 北村薫“指” 谷村志穂“こっちへおいで” 野中柊“柘榴のある風景” 道尾秀介“盲蛾” 小池真理子“翼” 小路幸也“輝子の恋”]

 夏目漱石の『夢十夜』をモチーフにしたアンソロジー。
 恥ずかしながら私は夏目漱石の小説に馴染みが薄く、『夢十夜』に関しても一夜目を曖昧に記憶しているだけであとは忘れてしまいました。この本も最初と最後の作品のモチーフを思いつく程度です。おそらく夏目漱石が好きな方ならニヤリとさせられる話もあるのでしょうが……。
 以下は単純に独立した話として読んだ感想になります。

 話によって、面白いものやそうでないものとの差が大きいように感じました。しかし、この評価は読み手によって大きく左右されそうで、裏を返せば誰が読んでも大体一つは好みの話が見つけられる……とも言えます。やっぱり短編小説って良いですね!

 私が面白いと感じたものは“盲蛾”“柘榴のある風景”“指”
 “柘榴のある風景”は内容が楽しく、“指”は文体や雰囲気が好みでした。まるで白昼夢のよう。北村薫氏は名前しか知らなかったのですが(雑誌で一度だけ読んだ記憶もあるような……)他の小説も読んでみたくなりました。
 そして“盲蛾”。タイトルの『眠れなくなる~』に合っている内容で、汚らわしくも美しく、最後はまるで一枚の絵のよう。祭りのシーンも日本的な怖さがあり、現実的に考えればひどい主人公の「稼いだ金の行方」には幻想的な雰囲気が溢れていて良かったです。

 不満な点を挙げるなら『眠れなくなる~』というタイトルや、帯の「早く朝になってくれ」というあおり文。あてはまりそうな話は一編だけで、他はどんなに怖がりの人が読んでも平気でしょう。私は帯やタイトルから幻想怪奇小説を期待していたので、そこが少し残念でした。

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